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ボトックス基礎知識

ボトックスとは

ボトックスとはボツリヌス菌毒素製剤の一つで、米国アラガン社により作られた厚労省の認可の下りた製剤です。
ボツリヌス菌とは、クロストリジウム属の嫌気性グラム陽性桿菌の一つ、毒素との違いによりA型、B型、C型、D型、E型、F型、G型の7種類に分類されます。腐敗したソーゼージやハムによる食中毒が報告されています。
乳児ボツリヌス症は、芽胞が乳児の大腸内で発芽・増殖し、産生された毒素により中毒を発症します。蜂蜜などに芽胞があり、その芽胞は120°C、30分加熱しないと死滅しません。

ボトックス注射とは、ボツリヌス神経毒を応用し、神経と筋肉の間の伝達物質の放出を阻害することで、筋肉の過緊張を和らげる治療です。

1989年には米国食品医薬品局(FDA)の承認を得て、今日では臨床薬として世界71カ国以上で広く用いられています。
日本におけるボトックス普及の歴史をみてみると、日本においては、1996年に眼瞼痙攣に対して、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸への効能が厚生労働省の承認を受けています。

本邦におけるA型ボツリヌス毒素製剤 「ボトックスビスタ®注用50単位」は、2009年1月、「65歳未満の成人における眉間の表情皺」を効能・効果として、2016年5月、「65歳未満の成人における目尻の表情皺」を効能・効果として製造販売が承認されました。 本剤は、2016年5月現在、眉間の表情じわ又は目尻の表情じわに対して、国内で唯一製造販売承認を取得しているA型ボツリヌス毒素製剤です。

瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、重度の原発性腋窩多汗症及び斜視には保険適応を有しています。

美容目的で使用する場合は、自費治療となります。

ボトックスは美容医療の領域でも広く使われて、最もよく行われる治療の一つと言ってもいいでしょう。

1990年ごろから本格的に始まった美容医療は徐々に、リスクが低く、手軽で、ダウンタイムが少ない治療が脚光をあびるようになっていきました。
ここ10年−15年ほどの低侵襲治療の流れは、世界中の先進国に拡大しています。

ボトックスの注入方法も年々進化し、部位によっては完全に筋の動きを停止させない方がいいことがわかっています。
自然な表情が一番であることがわかっています。
どの部位は完全にブロックした方がいいのか、どの部位は完全にブロックしな方がいいのかといったこともわかってきています。

ボトックスの歴史

美容皮膚科領域でのボトックス注入とは、表情じわ、しわやたるみの原因となっている、筋肉の過緊張をほぐすことで、若々しいお肌を手軽に取り戻す治療法です。
小顏効果や汗を抑える効果もあります。

えらは寝ているときに咬筋群の過緊張による、筋肉の肥大が原因ですが、原因となっている筋肉にボトックスを注射することでその過緊張を解除し、小顔効果を発揮します。
また、汗の気になる部分(わき、手のひらなど)の浅い部分に注入することで、汗を抑えることができます。

ボトックスの安全性について

米国FDA、日本の厚労省をはじめ、様々な国で保険適応、認可を受けている製剤で、安全性は十分高いものと考えています。

乳児ボツリヌス症とボトックスの関係

乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌の芽胞(卵)が乳児の大腸内で発芽・増殖し、産生された毒素により中毒を発症します。蜂蜜などにボツリヌス菌の芽胞があり、その芽胞は120°C、30分加熱しないと死滅しません。通常の料理で、それほど加熱することは考えにくく、芽胞を死滅させることは困難ということになります。
大人であれば、ボツリヌス菌は大腸の正常細菌叢に邪魔され増殖できないのですが、乳児は大腸の腸内細菌叢が未熟なためボツリヌス菌の発芽・増殖を許してしまう可能性があるのです。
乳児ボツリヌス症は、摂取したボツリヌス菌が腸管内で発芽・繁殖し、その菌により産生された毒素により発症する潜伏期間が3~30日と長いのが特徴です。

症状としては

といった筋力低下による症状が挙げられます。

乳児ボツリヌス症は生後3週~6ヶ月の乳児に起こりうるとされています。
これらのことから、1歳未満のお子さんに蜂蜜を与えることが禁止されているのです。
1歳未満のお子様には、蜂蜜を与えないこと、を徹底すると共に、もし食べてしまった場合は1ヶ月ほど、慎重に経過観察することが大事です。
我々、美容医療でも用いられているボツリヌス菌毒素製剤(=ボトックス)ですが、これらは菌そのものを使うのではなく、抽出した毒素を微量用いるだけですので、ボツリヌス症になることはありません。

ボトックスでの治療

ボトックスは、しわを作っている筋肉に直接注射するので、皮膚の内部からしわ・たるみを消します。今あるしわを改善するだけでなく、これからできるしわが深くなるのを予防する効果もあります。
また、仕上がりは注射の量や打ち方によって変化します。

薬剤が多過ぎると硬い不自然な表情になりますし、少なすぎると十分な効果を得ることができません。不適切な場所に注射すると、目がつり上がってしまったり、眼瞼下垂の症状が出るなど、皆様の大切な表情に影響が出ることもあります。

当院では、筋肉の動きや皮膚の状態を特に熟知した医師、スタッフが治療致しますので、安心してお受け頂けます。
他院でのボトックス治療に満足いただけなかった方でも、お気軽にご相談下さい。

部位別説明

眉間の縦しわ

眉間に無意識の力が入ってしまう方は多いです。皺眉筋と鼻根筋と呼ばれる筋肉の過緊張が原因とされております。皺眉筋と鼻根筋をターゲットとし、ボトックスを注入することで、大いに改善を見込めます。
非常に深い縦皺の患者様や力を抜いているときにも縦皺が見られる患者様は、ヒアルロン酸注入と併用することでさらなる効果が期待できます。

額の横しわ

額の横皺は前頭筋の収縮により起こります。
ボトックスを前頭筋に注入することで、前頭筋の収縮を抑え、額の皺を伸ばすことができます。また、眉の外側の上部の額のみ、ボトックスを注入しないようにすれば、眉の外側を引き上げる効果があり、所謂brow upと同様の効果が得られます。
こちらもボトックス注入の優れた適応です。
注意:眼瞼下垂の患者様は額のボトックス注入を受けられませんのでご了承ください。

目尻のしわ(カラスの足跡)

加齢に伴い眼輪筋の収縮により目尻に皺が出来るようになります。眼輪筋をボトックスで収縮させることで、皺を減らすことが出来ます。ボトックスの優れた適応の一つです。
注意:眼袋が突出している患者様や下眼瞼が極端にたるんでいる患者様は目尻のボトックス注入を受けられませんのでご注意ください。

おとがいのしわ(梅干し皺)

頤筋の収縮により所謂、梅干し皺が出来ます。頤筋をターゲットにボトックスを注入することで簡単に皺をなくすことが出来ます。

上口唇のしわ

唇をすぼめたときに、上口唇に皺が目立つようになってくることが良くありますが、その場合に最適な治療です。 ただ、皺が深い場合はヒアルロン酸注入と併用した方が良い結果を得ることが出来ます。

ガミースマイル

笑ったときに上口唇が強く挙上し、歯茎が過度に露出してしまうことをガミースマイルと言います。比較的軽度な場合は、上口唇挙上筋にボトックスを注入することで、上口唇が伸びガミースマイルが改善します。

エラ

エラは下顎角部の突出が原因の場合と、咬筋の過度な肥大が原因の場合があります。咬筋の過度な肥大によるエラがボトックスによる治療の対象となります。咬筋肥大は歯の食いしばり歯ぎしりの習慣など、過度な咬筋の収縮が原因と考えられておりますので、咬筋にボトックスを注入し、その働きを弱めてやることで、筋肉の萎縮が起こり、エラを改善することが出来ます。

多汗症

手のひら、足のうら、腋窩に左右対称性に発汗が過剰に見られる場合があり、時に試験中、答案用紙が破れてしまったり、車の運転でハンドルが滑ってしまうなどの症状が出ることがあります。そのような症状が現れた場合は、ボトックスの注入の適応となります。手のひらや脇の皮膚にボトックスを打ち込むことで、手汗や脇を抑えることが出来ます。

ボトックス注入の副作用と当院での対策

眼瞼下垂

ご高齢の患者様で、皮膚の弾力が低下している患者様の場合は、普段から徐々に眉毛が下がってくる傾向にあり、多くの方は前頭筋(額の筋肉)を使って、下がってきた眉毛や上眼瞼をあげようとしてしています。その場合、前頭部にボトックス治療を行うと、眉毛や上眼瞼が下がったようない印象になることがあります。

当院での対策
事前に、皮膚の弾力性のチェックを行い、前頭筋(額の筋肉)の緊張を弛めたときに眉毛、上眼瞼の位置が変化しないかを診察します。加齢性の眼瞼下垂と同様のチェックも行います。事前に簡単に診断することが出来ます。

眉が上がりすぎてしまった

額のボトックス治療を行った際に起こりえます。多少、眉がアーチ型に上がるように計算し、ボトックスの注入を行うのですが、時にその効果が出過ぎ、眉が吊り上がって起こっているような印象になることがあります。

当院での対策
最初に正しい治療(対称性、正しい注入部位)を行うことで容易に避けることが出来ます。万が一、この症状が出現した場合も、眉の外側上部に微量のボトックスを追加注入することで簡単に治療を行うことが出来ます。

涙眼になってしまう

目尻のボトックス治療で、起こることがあるとされております。涙管のポンプ機能が麻痺し、涙が排出されなくなるため、涙眼になってしまいます。

当院での対策
下眼瞼の中心部より内側へのボトックスの注入を避けることで容易に防ぐことが出来ます。

抗体が出来てしまう

あまりに反復してボトックスを大量に使用していると体の中に抗体が出来、ボトックスが効きにくくなることがあります。ただし一回の投与量が50単位以下であれば抗体の産生は報告されておりません。美容皮膚科の領域では使用量は通常それ以下ですので、特に問題になることがありません。

当院での対策
3ヶ月以内の反復注射は避けることと、ボトックスの使用量を多くしないことで簡単に避けることが出来ます。

眼袋が目立つようになってしまった

年齢とともに、眼輪筋が緩み、眼窩脂肪、眼袋が前方に出てくるようになりますが、目尻のボトックス治療により眼輪筋がさらに弛み、眼袋がより突出してしまうことがあります。

当院での対策
眼輪筋がどの程度弛んでいるか、眉毛の縁と眼窩下縁の距離がのびていないかを事前に診察し、ある程度、眼輪筋が弛んでいる場合や眉毛の縁と眼窩下縁の距離がのびている場合は、ボトックス治療を行わず、ヒアルロン酸注入などをお勧めするようにしております。

内出血

ボトックス治療中に毛細血管を損傷し、内出血を作ってしまうことがあります。放置しても1~2週間で吸収されます。

当院での対策
なるべく避けるように努力致しますが、この副作用は完全には避けることが不可能ですので、もし内出血が出来てしまった場合は、申し訳ないのですがコンシーラーなどをお勧めさせていただいております。

禁忌事項

以下の方はボトックス治療を受けられませんので、申し訳ございませんが、ご了承ください。

ここがポイント

Case 症例のご紹介

額に実施した場合

眉間に実施した場合

Flow 施術の流れ

  1. 1カウンセリング

    まずは、カウンセリングを受けていただきます。
    ボトックス治療の概要や注意点など事前にお伝えします。
    不安なことがありましたら、なんでもご相談ください。

  2. 2お顔のチェック

    眉間や額にボトックスを注入する際は眼瞼下垂がないかのチェックを行います。

  3. 3注入点を決定します

  4. 4ボトックスを注入していきます

    注入前に、アイスパックを使ってクーリングを行います。

    その後、マーキングに合わせて極細の針でボトックスを少量ずつ注入します。
    当院では33G針という特殊な極細の針を使います。
    注射後は場所によって多少凹凸が見られますが、メイクで隠れて自然と治まりますのでご安心ください。

  5. 5すぐにお化粧しておかえりいただけます。

    注入後、通常のメイクが出来ます。洗顔、入浴、洗髪も可能です。
    しかし、当日のアルコール摂取、サウナ、直後のマッサージなどはお控えください。
    気になることがありましたらいつでも医師やスタッフにご相談ください。

Price list 料金表

リジェノックス(効果はボトックスと同様)1回料金(しわ・たるみ治療 目安時間:約30分)

鼻根部 20,000円
35,000円
小顔 40,000円
わき汗 30,000円

ボトックス 1回料金(しわ・たるみ治療 目安時間:約30分)

鼻根部 24,000円
眉間、目尻 30,000円
42,000円
小顔 50,000円
わき汗 70,000円

FAQ よくある質問

Q顔が動かなくなるって本当ですか?
Aボトックスは、筋肉の収縮を局所的に弱める働きがあります。
過緊張している筋肉に打ち込むため、適切に治療すれば、表情は柔らかくなりますが、注入量が多すぎたり、顔の広範囲に打ち込んだ場合は表情が乏しくなってしまいます。
当院では、初回は注入量を少なめから注入することをお勧めし、上で述べた副作用がおこらないように工夫しております。
Q注射を打っても跡は残りませんか?
A針跡がわずかに赤くつくことはありますが、1日程度でなくなります。また、ボトックス注射直後よりお化粧で隠せます。
Q痛くないですか?
A注射だけなのでちくっとする程度の痛みはあります。痛みを極力減らしたい方は、麻酔シートや、麻酔クリームを併用することでで、ほぼ無痛に近い治療が可能になります。
Q副作用はありませんか?
A注入する部位によっては一時的に、顔の違和感が生じることがありますが、1ヶ月程度で改善します。
不適切な手技により、眼瞼下垂が生じえますが、きちんと適切に治療すればまず起こりえません。
Qダウンタイムはどれくらいですか?
A針跡がわずかに赤くなることはありますが、1日程度でなくなります。
また、ボトックス注射直後よりお化粧することが可能です。
Q注射は何回くらい打つのですか?
A効果の持続期間は部位や患者様によって差がありますが4ヶ月~6ヶ月程度となっていますので、効果が落ちてきた頃に再度治療を行います。
逆にあまり短期間に注入を繰り返すと、抗体が産生されボトックスが効きにくくなることがありますので注意が必要です。
ボトックスはボツリヌス菌毒素からできていると聞いたのですが、本当にそんなものを注入しても健康に問題ないのでしょうか?
当院で使うボトックス(A型BTX)のヒトに対する致死量は3500単位~50万単位と言われ、通常皮膚科で使うボトックスの量(最大で20単位~50単位)では、たとえ誤って動脈に注射したとしても問題はありません(もちろんそのようなことは絶対と言っていいほどあり得ないことですが)。
適切に使用する限り健康被害は、まず起こらないと考えております。
さらにボトックスの作用期間は14週程度で、追加注入しないと筋は回復しますので、不可逆的な副作用をもたらすことは通常あり得ません。
Qどのような副作用があるか教えてください
Aボトックス注入の副作用と当院での対策をご参照ください。
Q左右不対称になることはないのですか?
A当院では、左右同じ量のボトックスを同じ位置に注入させていただきますので、左右不対称になることはあまりないのですが、左右の効き方が異なり、一時的に左右不対称になる場合はあります。その場合も1~2週間程度で、左右対称となりますのでご安心ください。
Qどのくらい効果が持続しますか?
A部位にもよりますが、4~6ヶ月程度が目安になります。効果が減少してきた場合は追加注入をお勧めしております。
Qボトックスと後発品のリジェノックスとどちらの方が良いですか?
A効果、安全性は同等ですので、どちらを使っても良いと考えております。コストを抑えたい患者様は後発品のリジェノックスをお勧めしたいと思います。
Qボトックス治療後はすぐにお化粧をすることは出来ますか?
Aはい、可能です。
Qボトックス治療後はお酒を飲むことは出来ますか?
A多量の飲酒はボトックス注入翌日まで避けていただきます。
Qボトックス治療後にエステやマッサージに行くことは出来ますか?
A注入したボトックスの拡散を防ぐために、ボトックス注入翌日まで、注入部位のマッサージ、エステは避けていただきます。
Qボトックスで表情がなくなったりしませんか?
Aボトックス注射は眉間の縦シワや、目尻のシワ、額のシワの治療などによく使われるもので、現在、眉間と目尻のシワに関しては厚生労働省の認可済みになっています。表情筋の動きを抑制するため、ボトックス注射をすると、表情がなくなってしまうのではないか?と心配される方も多いのも事実です。

しかし表情がなくなってしまう、というのはかつての話しで、現在はむしろ「表情が良くなったり」、「笑顔が素敵になったり」するというのが正解かと思われいます。

例えば眉間のシワに関しては、眉間を寄せて深いシワを作っている表情が素敵と言えるか、というとそうではなく、その表情は苦悩や苦痛、精神的緊張、怒りを表します。ボトックス注射で眉間を寄せる筋肉を弛緩させてやると表情が柔和になり、明るく見えるようになります。

また目尻のシワに関しても誤解が多いのですが、「笑えなくなるのではないか?」と思う方が多いのですが、では「子供は笑えなませんか?」ということになります。いうまでもなく赤ちゃんや子供もよく笑えます。赤ちゃんや子供は笑っても目尻にシワは入らないことが多いのですが、その表情を乏しく感じるでしょうか?
全く感じないですね。すなわち目尻のシワはなくても全然表情豊かに笑うことが可能なのです。

目尻のシワは加齢を感じさせる大きな要因です。

最近は目尻のシワにボトックスを注射する際に少し目が大きくなるように注射することが増えています。それももちろん表情を豊かに見せるためです。

以上から、ボトックス注射は表情を乏しくさせるのではなく、適切に治療をすれば表情をよくする、表情を豊かにする、と言えるかと思われます。

ぜひ一度試していただきたいと思います。

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