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ボトックスで表情がなくなる?

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2017年7月28日

最近、ボトックス治療を「怖そう」、「表情がなくなりそう」、「変な顔になりそう」ということで避ける方も多いように思われます。

この辺りは全て誤解ですので、少し注意した方がいいように思われます。

まず「怖そう」という点ですが、確かにボトックスはボツリヌス菌毒素製剤で、ボツリヌス菌毒素というのは極めて危険な猛毒ですが、我々が使うのはボツリヌス菌そのものではなく、「毒素といっても、天然のたんぱく質からできた毒素を分解・精製したもので、ボツリヌス菌の菌体やその成分、培養液の成分などは一切含まれません」(アラガン社のHPより引用しました)。ボトックスは厚労省、米国ではFDAに承認されている安全性の高いものです。ボトックスを使い、ボツリヌス菌に感染した方というのは一人もいません。

そして「ボトックスを使うと表情がなくなりそう」というのは全くの誤解ではなく、過剰なボトックス治療で起こりうることです。シワを取ること、シワを治療することのみにフォーカスし、完全にブロックするべきでない筋肉を完全にブロックすると、表情が薄くなってしまうということは起こりえます。現在、欧米先進国では、自然な表情こそが美しい、との考えのもと、完全にブロックすべき筋肉と完全にブロックすべきでない筋肉を分けて考え、自然な表情を残すようにしています。

例えば、中年以降の方の額を完全にブロックしたら自然とは言えないでしょう。ですのでボトックスで治療する際も、ある程度額の筋肉(前頭筋)を残すようにします。

最後に、変な顔になりそう、という点ですが、これも私は医師側に責任がありそうに感じていますが、眉の外側が異常に跳ね上がり、怒った顔になる、というものです。これは眉間のボトックスや額のボトックスを行った後に現れる現象で、アメリカでもMephisto signと呼ばれ、悪魔的な表情とされ嫌がられます。時々、眉が跳ね上がった方がいいのだ、という医師がいますが、少なくとも日本、アメリカ、ヨーロッパではそうではありません。おそらく女性の眉毛は眼窩縁より上にあるのが良い、眉毛が外側に垂れ下がるのを防ぐべき、という2点(これは一般論です)の解釈を間違ったものと思われます。
当然Mephisto signは熟練した医師なら簡単に避けることができます。

危険、表情がなくなりそう、変な顔になりそう、というのはいずれも誤解とわかっていただければ幸いです。

この記事の著者

花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)
東京都、埼玉県でクリニックを5院経営する皮膚科医。テレビ出演多数。皮膚腫瘍治療の実績により アジアの次世代を担うリーダー100人(100Next-Era Leaders IN ASIA2015-2016)に選出される。

花房 火月(ハナフサ ヒヅキ)

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